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2024/05/02 14:38 |
透析昔話 その15 透析すれば気持ち悪さが改善する

通常透析患者さんは週3回透析を受けるので、月水金もしくは火木土のスケジュールになる。

透析歴40年を迎えて昨年亡くなった透析患者さんが、昔3日目の朝は早く透析をやってほしいと思ったよ、と言われたが、意味がよくつかめなかった。


この患者さんが透析を導入した頃、ダイアライザーと呼ばれる人工腎臓は、今のようなホローファイバー型のものではなく、透析効率が悪かったため、尿毒素の除去が悪く、アシドーシス(体液が酸性に傾いている)の改善も悪かった。


透析が2日空いた日は最もアシドーシスがひどくなり、生体は胃液を出して体液を是正しようとする(129日のブログを参照してください)


だから胃がむかつくので早く透析をしてほしいとなる。


 透析を拒否していた人の話。


現在では見受けられないが、昔“透析を行うようになったら人生は終わりだ”と思う人が何人かいた。


保存期腎不全で外来通院していた患者さんが、「そろそろ透析」の話を聞いて外来受診に来なくなるケースがよくあった。


電話を掛けたり家庭訪問などして受診を促すが、時には鬱血性心不全を併発して救急車で搬送されることもあった。


透析を拒否していた人も、救急車で搬送された人も、透析を受けて一様に「こんなことなら早く透析をやっていればよかった」と言う。


どういうことか説明すると、気持ち悪いのを我慢して透析を拒否していたが、透析を行うとアシドーシスが改善し、気持ち悪さがなくなるからだ。


不幸にして腎臓が悪くなり、透析を受けるようになっても、新しい人生の始まりと気持ちを切り替えられるようなサポートをするのが透析室のスタッフの役割。


頑張ろうね。

 

野遊人

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2016/02/01 11:01 | Comments(0) | 臨床工学技士

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