「袴田事件 裁かれるのは我なり」を読み、映画「BOX 袴田事件 命とは」を知り、TSUTAYAもしくはGEOで借りようと探していたら、You Tyubeで見ることができた(ありがたいけど、いいのかなと思ってしまう)
刑事裁判では「疑わしきは被告人の利益に」という大原則があるが、袴田事件には全く採用されていない。
いくつか疑わしい点を上げてみると
・犯人が4人もの殺害しておきながら悲鳴や物音を近所の人は聞いていない(弁護団は複数の犯行と推察)
・刺したとされる刃渡り13~14cmのクリ小刀には鍔が付いておらず、44か所も刺せばついた血で手が滑り、掌に傷を負うのが当然と考えられる。しかもこの小刀では無理と思われる深い刺し傷が数か所ある。
・4人の人を、44か所も刺しておきながら、犯行時履いていたゴム草履には血液反応が見当たらないし、着ていたパジャマには微量の血痕しかついていない。
・事件から1年数か月後、作業中に突如味噌樽から、麻袋に包まれた血痕がついた着衣5点(ズボン、ステテコ、ブリーフ、シャツなど)が出てきた。事件からこれまで一度味噌を入れ替えたときには発見されていないという奇妙な出来事。
・しかも着衣についていた血液のDNA鑑定では、袴田さんのものはもとより被害者のものでもないことが判明。
おかしな点はまだまだあるが、なぜ素人でもおかしいと思うのに、地裁、高裁、最高裁は有罪(死刑)の判決を下すのか。
鎌田 慧著「反冤罪」に、これまでの冤罪事件を通して説明しているので一読を薦めるが、警察官、検察官、裁判官は仲間内で無責任体質だと言える。
朝日TVが静岡県警のエースと呼ばれた、袴田事件を取り調べた元刑事が次のようなインタビューを報道している(赤字はボクの意見)
記者)袴田巌死刑種が犯人であることは
元刑事)間違いない
記者)どこで確信を持ちましたか
元刑事)全部だよ。わかんない、忘れた(一人の人間を死刑にしておきながらこの言い分は許せない)
記者)一人で四人も殺害できるのか
元刑事)できるだろう、あの体格なら、ボクサーだよ(ボクサーと言っても体重51kg)
記者)取り調べがきつかったのでは
元刑事)そんなことないよ。有罪だからいいんだよ。きつく調べなきゃ言うわけないだろう、四人も殺しているんだから(一日10~12時間、ときには16時間に及ぶ取り調べが20日間も行われ、拷問による自白と断定できる)
記者)再審請求が続いていることは
元刑事)どう思うって、有罪だもん、いい加減にすりゃあいいんだよ
袴田事件の裁判官を務めた熊本元裁判官は、一時も裁判のことを忘れたことがないのに、無実の人を死刑に陥れた元刑事の何と罪の意識のないことか。
一人の人生を奪おうとしていることに罪の意識がないのか、恐ろしい〝人種″としか言いようがない。
野遊人
申します。
この度は「BOX 袴田事件 命とは」をご覧になって頂きまして、誠にありがとうございます。(私、レフリー役で出演しております)
一日も早い再審開始が実現されるよう頑張ってまいります。
今後もどうぞ宜しくお願い申し上げます。