中日新聞に掲載されたコラム
結核が不治の病であった頃、結核の新たな治療法を試す医師がいた。
二人の患者が自分を治療してくれとこの医師を訪ねる。
しかしこの治療法は患者の人数が制限され、二人とも助けることはできない。
どちらかを選ばざるを得ない。
バーナード・ショーが書いた「医者のジレンマ」
同じようなことが現在おきている。
西アフリカで拡大しているエボラ出血熱、世界保健機関はエボラ感染者に臨床検査前の未承認薬の使用を認めた。
効果や安全性は確認されていないが、手をこまねいてはいられない状況。
問題は効果や安全性ばかりではなく、増産には時間がかかり薬が足らない。
どの患者に投与するのか順番を決めざるを得ない。
まさに「医者のジレンマ」だ。
透析医療にも同じようなことがかつてあった。
透析装置の絶対数が不足していた時代、治療受けていた患者が亡くなると、次は誰が治療を受けるのか「覆面委員会」で患者を選択していたことを、中日新聞のコラムを読んで思い出した。
野遊人
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