30年前の話。
豊橋には心臓疾患の治療で全国的に有名な国立療養所豊橋東病院があった(現在の国立病院機構 豊橋医療センター)
冠動脈の重要な部位に閉塞が見られる透析患者のSさんは、急性心筋梗塞が発症して心停止する恐れが十分な状態であった。
当時、透析患者さんの心臓疾患に対して外科治療、手術は行わないのが一般的であったが、病院を受診したSさんは、何もせずに死を待ちたくないと手術を決意。
病院から術中から術後の出張透析の依頼があり、当然ボクたちはその要請に応えた。
手術は無事終わり、暫く毎日出張透析を行っていたが、残念ながら患者さんは亡くなってしまった。
この手術の執刀医は、透析患者であっても問題なく手術でき、術後は透析で体液量のコントロールをしっかり行えば、腎不全の患者さんも手術で救えると確信、以後、ボクが勤めるクリニックでは、心臓疾患を抱える患者さんを豊橋東病院に紹介するようになり、市内の透析施設に通う患者さんも豊橋東病院で治療を受ける患者さんが急増した。
当然出張透析の依頼は増え、3台の透析装置を駆使して、ひとりで一日9人の透析を行ったこともあった。
現在、多くの病院では、腎不全があっても普通に心臓の手術を行っている。
当法人の患者さんの中には、手術をして元気に透析に通院している患者さんが何人かいる。
余談になるが、当時腎不全がなくても70歳以上(年齢は正確ではないかもしれない)のお年寄りは手術を行わなかったが、今ではその垣根は取り払われている。
野遊人
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