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2024/04/29 10:05 |
透析昔話 その13 A液、B液の差し込みミス
仕事上のミスを公開することにはためらいがあるが、そもそも「透析昔話」を記載し始めたきっかけは、過去の失敗を教訓にしてほしい、あるいは昔の装置は人間のミスをカバーするように設計されていないと言うことを、若い技士たちに知って欲しいからだ。

個人用透析装置は、ボトルに入った透析原液を指定された希釈率で希釈し、透析液の希釈倍率は以下のようになっている(どの薬品会社の透析液でも)。

酢酸(アセテート)透析は、透析原液:希釈水=1:34

重曹(バイカーボ)透析は、A原液:B原液:希釈水=1:1.26:32.74

希釈方法は透析装置のメーカーによって異なり、日機装は指定された希釈率になるように透析原液の注入ポンプのスピードを決め、所定の濃度に希釈されているか濃度セル(伝導度セル)でモニターする。

ニプロは(当時の装置)指定された濃度になるよう濃度セルで原液注入ポンプを制御する方法を取っていた。

ニプロのNCD11で重曹透析中、つまりA液とB液の2剤の透析原液を使用、今日に限って濃度表示が妙にばらつく、つまり濃度の表示が安定しないことに気づいた。

濃度セル現役注入ポンプの不良?と思ったが、よく見るとA液とB液の差し込みが逆になっている。

濃度はいつもより不安定であるが、Na濃度は140mEq/L前後であるから大事には至らないが、重曹が過多になっている。

どういうわけか説明すると、A液注入ポンプはNa濃度110mEq/Lに設定、そこに140mEq/LになるようにB液ポンプが作動する。

透析原液が逆に差し込まれているから、A原液に対してB原液はかなりNa濃度が低いので、B液注入ポンプは
Na濃度110mEq/Lになるように作動するから重曹は相当多く注入され、逆にA液は少なくなる。

日機装のDBB22で透析原液を逆に差し込むと、、B液の濃度計は濃度警報(高)、透析液濃度も高の警報が発令して、透析液がダイアライザーに流れることはない。
 
透析原液のミスは他にもあったことは後日のブログで。

野遊人

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2016/01/27 17:45 | Comments(0) | 臨床工学技士

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