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2024/05/18 14:31 |
透析昔話 その25 犯人はギア比の違い

個人用透析装置DBB22を液置換に入れたが、一向に透析液の濃度が上昇しない。

バルブの故障をまず疑い、透析原液のボトルに差し込まれている原液注入ラインを持ち上げて空気を入れ、空気が吸引されるか観察するが、空気は吸引されない。


装置のサイドパネルを開けて原液吸引ポンプを見ると、ポンプのプランジャーが作動していない。


図は現在の原液注入ポンプで、当時の原液注入ポンプは、パルスモーターとカムの間にギアボックスがあった。


  

当時のパルスモーターはトルクが十分ではなかったので、それを補うために回転数の高いモーターを用いてギアで減速していた。


原液吸引ポンプのモーターを取り外してみると、モーターは作動する。


そうするとギアボックスが原因であるから、ギアボックスを交換した。


しかし透析液を吸引するものの、設定の濃度まで上昇しない。


透析原液の逆流もないからバルブの不良は考えられない。


エエ~!どうして、組み立てる時何か間違ったことをしたのかと、何度も手順を反芻するが原因は思い当たらない。


メーカーに問い合わせれば答えはわかるだろうが、意地でも自分で原因を見出したい。


退勤時間になったので帰宅するが、頭の中は何故だ?何故だ?酒を飲んでいても何故だ?何故だ?


ふとんに入る直前、ひょっとして除水ポンプと原液吸引ポンプのギアボックスのギア比が違うのでは、と頭にひらめいた(除水ポンプと原液吸引ポンプのモーターは同じだが、プランジャーの太さが違っている)。


ひらめきは当たっていて、翌朝ギアボックスを交換すると設定した透析液濃度に達した。


※原液吸引ポンプのギア比は1:3、除水ポンプは1:5)


原因が解消された嬉しさより、どっと疲れが出た。

 

野遊人

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2016/02/20 11:11 | Comments(0) | 臨床工学技士

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