ガンブロ社のAK-10は、除水コントローラーがないが、すべてのベッドにスケールベッドと呼ばれる秤が設置されていて、秤に表示される体重で除水量をコントロールしている。
但し手動で行うのではなく“CAMシステム”と呼ばれ、1台のパソコンで全台の透析装置のTMPをコントロールするものになっている。
この時代にパソコンで中央監視しているとは“すごい”と思う方がいるかもしれないが、新しい透析装置の開発をしていないので、やむを得ずこのような方式を採用したに過ぎない。
このシステムだけで5千万円とも6千万円とも聞いており、透析装置の購入費は別途かかる。
増え続ける透析患者に対応するため、ベッド間隔を詰めて透析ベッドを増床することになった。
そこでボクは副院長に、日機装の透析装置のデモを願い出た(院長は外部から招聘された方で、いろいろな権限は副院長が持っていると判断した)
案ずるより産むがやすしの言葉通り、簡単にOKが出た。
1ヶ月後、装置の選定に看護師の意見は、異口同音に日機装のDBB-22Bに軍配が上がった。
AK-10では除水量を設定するのにパソコンの前にいき、それぞれのベッドを画面に開かなければならないが、DBB-22Bでは装置の前で入力できる。
病棟から依頼の病棟透析では、透析装置の他にスケールベッドを持ち込み、4つのロードセルをベッドを持ち上げて配置しなければならない。
さらに除水はベッドの表示を見ながらTMPを手動でコントロールしなければならないが、DBB-22Bでは除水量を入力しておくだけである。
ここで驚いたのは購入価格、AK-10をこれまで1台480万円で購入していたが、競争相手が現れた今回は300万円で提示。
最終的に日機装が280万円で落札した。
ちょっと調べれば、透析装置の他院の購入価格はどれ位なのか分かるのに、調べもせずに業者の言いなりで購入する、恐るべき公務員体質には驚きの連発だ。
野遊人