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2024/05/08 20:00 |
透析昔話 その1 ベテラン患者は装置を信用しない

ボクが現在の仕事についたのは31年前のこと。

当時使用していた透析装置は、スウェーデンに本社があるGamblo社のAK-10。


デジタルではなくアナログな装置、具体的に言うと。


現在の装置は総除水量を入力して、計算画面で透析時間を入力してスイッチをタッチすれば除水速度が設定され、正確に除水が行われる。


一方当時の装置は、所定の除水を行うには、どのくらいの圧力(TMP:Trans Membrane Pressure)を掛けるのか、ダイアル式の設定器でTMPを掛ける非常にアバウトなもの。


しかも、所定通り除水ができたかどうかは、透析後体重計の乗ってみないと分からないという代物。


だからベテランの患者さんになると、きちんと除水できているかどうか、顔のしわや誰首の人さを腕時計のバンドで確かめながら透析を行っていた。


※過剰な水分が体をむくませる。


除水が過不足していれば自分でTMPのダイアルを調整したり、スタッフを呼んでTMPを上げ下げするよう依頼する。


そんな話を若いスタッフに話したところ「それでSさんは透析中に手鏡で顔を見ているだね。私は自分の顔がよっぽど気に入っているのかと思ってた」と納得した様子であった。


それからまもなくして、日本の透析装置のメーカーは除水量をデジタルで入力する装置を開発し、アナログの時代は終焉を迎える。

野遊人

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2015/12/25 10:43 | Comments(0) | 臨床工学技士

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