「透析昔話1 ベテラン患者は装置を信用しない」で、スイッチの入れ忘れによって透析されていないことを書いた。
その後、透析装置はアナログの時代からデジタルの時代へと移行したが、スイッチの入れ忘れと入れ間違いによるトラブルは引き続き存在した。
当時の透析装置は、装置の配管内のエアーを追い出すための「ガスパージ」、透析液を停止する「停止」、透析液を流す「運転」スイッチの他に除水スイッチがあった。
「運転」スイッチを入れておいても、除水スイッチが「切」の状態だと、ダイアライザーに透析液が流れるので、透析はできるが除水の制御ができない。
ダイアライザーにかかる静脈圧と透析液圧の差によって除水され、しかも除水制御が効かないので、除水量の積算値は0mlと表示される。
多くのスタッフはこれが理解できないので、除水量の積算値は0mlであれば除水されていないと判断し、結果的に大きな除水誤差が生じてしまう。
そこで以下の表を作成し、トラブルに発展しないようにした。
運転スイッチがONで除水スイッチが「切」の時は、気づいた時点で体重測定をして除水計算をやり直し、透析時間は、所定の透析時間から運転していた時間を引いたものが残りの透析時間とするよう通達した。
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ガスパージ |
停止 |
運転 |
除水SW切 |
体重測定 所定の透析時間 ―ガスパージ時間 |
体重測定 所定の時間透析 |
体重測定 所定の透析時間 ―運転時間 |
除水SW入 |
体重測定 所定の透析時間 ―ガスパージ時間 |
所定の時間透析 |
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これでスイッチの入れ忘れ等によるトラブルは減少したがゼロにはならなかった。
何故なら、新人スタッフが同じ過ちを犯してしまうから。
野遊人
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