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2024/05/21 23:41 |
透析昔話 その7 患者さんが装置の異常を発見

12月25日のブログ「ベテラン患者は装置を信用しない」で、ベテラン患者さんは予定通り除水できているかを、顔のしわ、手首や足首のむくみの具合でチェックしていると記したが、透析の途中で透析装置の故障を訴えた患者がいたケースを紹介しよう。

透析を開始して2時間ほど経過した時、「引けてない気がする、と患者さんが言っているけど」と連絡が入った。


引けていないとは、除水ができていないという訴え。


すぐにベッドサイドに行って透析装置の静脈圧と透析圧を確認すると、除水速度に対して透析液圧が低い(正確にはTMPを算出)。


透析装置のサイドカバーを外して装置内を確認すると加圧ポンプが停止している。


加圧ポンプが作動しないと、装置の配管内に所定の圧力がかからないため、設定した除水ができないうえ、透析液の出入りのバランスがくずれる。

といっても全く除水ができないのではなく、50~70%ほど除水量が低下する。


それでも当時のベテラン患者さんはいつもとの違いを感じ、異常を察知する。


以下はこのケースの余談。


透析記録用紙を見ると開始から加圧ポンプは停止していたようで、昨夜行った夜間透析は問題なかったか、この装置で透析を行った患者さんの透析記録用紙を見ると1L近く引き残して帰宅している。


そして透析記録用紙に「次回体重を確認してください」の文字が!(これを見たボクは怒りが爆発する寸前だった)


担当した看護師を捕まえ、次回体重を確認してどうするんだ!


すると看護師は「体重の測定間違いか見間違いかと思って」と言う。


装置の故障を考えないのか!今日の透析前に装置の異常がないか調べてくれとボク依頼すれば、5分で診断がつく!装置に異常がなければ測定間違いか見間違いと判断できる!と、怒りを抑えて看護師に言った(でも口調は厳しかったと思う)


少し考えれば未然に防止できたトラブルの一例。

 

野遊人

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2016/01/15 13:03 | Comments(0) | 臨床工学技士

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