腎不全になると、血液を作るホルモンであるエリスロポエチンの分泌が減少し、尿毒素により血液の寿命が短くなるなどの理由により貧血になり、これを腎性貧血と言う。
透析治療を行うようになると、血液回路に残った血液を廃棄するため、さらに貧血は亢進する。
どの位貧血になるのか、個人差はあるものの概ね健常者の半分。
しかし1990年にエリスロポエチンが製造・販売され、腎性貧血は基本的には解消された。
ボクが透析医療に携わった時はもちろんエリスロポエチンはなかった。
まだエリスロポエチンがなかった昭和63年、患者会の会長が富士山に登りたいとの訴えがあり、援助できないかスタッフで検討し、実行することになった。
4月に棚山高原、5月に伊吹山などに登ってトレーニングを開始、確か7~8名の患者さんが参加したように記憶している。
8月いよいよ富士山にトライ。
間の悪いことに、92歳になるボクの祖父の容態が悪くなり、直前になってボクは富士山に同行することを断念した。
正直に言って、誰も山頂には立てないだろうと思っていたが、二人の患者さんが完登したとの報にビックリした。
後日、このことを聞きつけた地方紙、全国紙、合わせて5つの新聞社が、快挙として新聞に掲載した。
健常者でも登頂を果たせない人がいるのに、二人の精神力と体力には感服。
貧血がどのくらい影響を与えるかは、昨年11月2日の「1年ぶりのハーフマラソン」を参照してください。
野遊人
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