20年ほど前、東三河にある透析施設でのこと。
9月の祭日に、その施設の隣家で火事が発生し、近隣が停電になった。
停電になれば当然透析装置は停止する。
透析施設のスタッフは、透析監視装置内蔵のバッテリィを用いて、電池運転に切り替えて血液ポンプを作動しようとするが、普段、電池運転のトレーニングをしていないので要領を得ない上、充電できていない電池もあり、血液ポンプに手回しハンドルをつけて、手で回さねばならない装置がいくつかあった。
スタッフの人数は限られるので、患者さん自身が手で回したもらったものの、どの位のスピードで回してよいのかわからず、透析室は大混乱した。
そういうお前の施設は大丈夫かと、質問が来そうですが。
透析監視装置は6年経過した時点でバッテリィは新品に交換し、透析室では毎月、コンセントからプラグを抜いて停電状態にして、内蔵バッテリィを用いた返血訓練を行っている。
返血訓練は手技を習得するだけでなく、内蔵バッテリィの充電状態を確認することができる。
野遊人
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