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2025/04/06 05:03 |
透析昔話 その17 透析装置の構造的な欠陥を発見

ボクが就職したクリニック豊橋は、開院した昭和56年当初は、ガンブロ社のAK-10を使用していたが、日機装社からバイカーボ透析が可能で、除水コントローラがついたDBB22が発売され、バイカーボ透析と除水コントローラの優位性は非常に高く、昭和623年にはAK-10は(勿体ないけど)廃棄し、透析装置はDBB22DCS22、それにニプロ社製のNCD11になった。


日機装の透析装置の除水方式は、除水ポンプで設定分の除水を行う容量制御方式で、ニプロの装置は、設定された除水速度に対して必要な圧力、TMPをかけて行うTMP制御であった。


ニプロのTMP制御方式をもう少し詳しく説明すると


透析開始直後、15分後、30分後、1時間後、後は1時間ごとに、100mmHg200mmHgだったかな?)のTMPをかけてECUMを行い、装置内のシリンダーが一定量になる時間を計測して、使用しているダイアライザーのUFR(限外濾過率)を検出するもの。


除水速度とUFRから、除水速度÷UFRTMPが設定される。


透析の経過とともにダイアライザーの膜は目詰まりを起こすのでUFRは低下するが、UFRを測定するたびに膜の目詰まり分を補正してTMPをかけるので、除水は正確に行われる。


若い男性患者に旭メディカル製のPAN(ポリアクリニトリール)膜を使用することになったが、透析を終えて体重計の乗ると1kgほど過除水になっていた。


おそらく測定ミス(透析前、荷物を持って体重計測した等)だろうと判断して、次回の透析もPAN膜を使用したところ、同じ状況になった。


これは何かあるが、メーカーに連絡しても「そんなはずはない」と取り合わない。


以来どうしてだろうと、ボクの頭はこのことから離れずにいたが、UFRの高い膜のUFRは、直線ではなく放物線を描くことに気づいた。


ところがNCD11はUFRを直線としてTMPを算出しているので、UERが高くなるほど誤差が生じることに気づいた。


図で説明しよう。




100mmHg
TMPをかけてECUMを行ってUFRを測定し、必要なTMPが40mmHgだとすると、UFRの高い膜のUFRは放物線を描くため、必要以上の除水(緑色の矢印)=誤差が生じる。


早速設計者を呼んで説明し、当初、ボクの報告に耳を貸さなかった設計者は、グーの音も出さずに戻り、後日UFRを測定する回数を増やしたプログラムを持参したが、透析量(当時は透析効率と呼んでいた)が落ちるようなプログラムは容認できないと指摘した。

これを契機にニプロは、容量制御のNCU-10の開発に入った。

 誰も気づかないNCD11の問題点を究明した野遊人、遊んでばかりではないことが分かっていただけたかな。
 
野遊人

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2016/02/05 06:44 | Comments(0) | 臨床工学技士

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