3月23日のブログで記したように、早速図書館で「大地の子」を借りてきた。
敗戦の混乱期、中国に置いてきた、いわゆる中国残留孤児の存在がマスコミで報道されたとき、満州へ出兵したことがあるボクのオヤジは、日本軍があれだけひどいことを中国の国民に行って尚、日本人の子を育てていた中国人の寛大さに感嘆したことを思い出した。
しかし「大地の子」を読んで、中国残留孤児として日本の地を踏んだ人は、比較的恵まれた環境で育てられた孤児で、多くは貧しい寒村で、労働力として‟買われ”小さいうちから馬車馬のごとく働かされ、学校にも通えなかったのが実態だ。
主人公の陸一心も同様の運命をたどるところを、運よく教師を勤める養父に拾われて高等教育を受けることができたが、幼くして別れた妹のあつ子は、強欲な姑(原文のまま)に奴隷以上にこき使われ、40歳にして短い生涯を閉じなければならなかった。
読んでいて何度も目頭が熱くなり、字が読めなくなったことか、今でもブログを書いていて目に涙がたまってしまう。
山崎豊子さんの本を多く読んでいるが、中国残留孤児の問題と、日中合作プロジェクトの上海宝山製鉄所建設問題で中国の社会システムを絡み合わせた「大地の子」は、山崎さんの最高傑作とボクは思うし、このブログを読んだ方にも一読をお薦めする。
野遊人
敗戦の混乱期、中国に置いてきた、いわゆる中国残留孤児の存在がマスコミで報道されたとき、満州へ出兵したことがあるボクのオヤジは、日本軍があれだけひどいことを中国の国民に行って尚、日本人の子を育てていた中国人の寛大さに感嘆したことを思い出した。
しかし「大地の子」を読んで、中国残留孤児として日本の地を踏んだ人は、比較的恵まれた環境で育てられた孤児で、多くは貧しい寒村で、労働力として‟買われ”小さいうちから馬車馬のごとく働かされ、学校にも通えなかったのが実態だ。
主人公の陸一心も同様の運命をたどるところを、運よく教師を勤める養父に拾われて高等教育を受けることができたが、幼くして別れた妹のあつ子は、強欲な姑(原文のまま)に奴隷以上にこき使われ、40歳にして短い生涯を閉じなければならなかった。
読んでいて何度も目頭が熱くなり、字が読めなくなったことか、今でもブログを書いていて目に涙がたまってしまう。
山崎豊子さんの本を多く読んでいるが、中国残留孤児の問題と、日中合作プロジェクトの上海宝山製鉄所建設問題で中国の社会システムを絡み合わせた「大地の子」は、山崎さんの最高傑作とボクは思うし、このブログを読んだ方にも一読をお薦めする。
野遊人
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