磐田市の「獅子ヶ鼻トレッキングコース」に付き合ってくれないかと、江南市の山友から連絡があり行ってきた。
磐田メイツクリニックのスタッフの方はご存知でしょうが、すばらしいコースが市街地の近くにあるのですね。
駐車場は2ヵ所あり、足の悪い方は山腹にある駐車場を利用するとよいでしょう。
駐車場の桜は満開、ベストシーズンのトレッキングとなった。
伏見念力稲荷大神の狐が、登山口で出迎えてくれる。
「衣掛けの松」に行くと、松は見るべきものはないが、松の上にそそり立つ岩が面白い。
岩に何やら文字が刻まれている。
獅子ヶ鼻の大岩は、かつて海底にあった堆積岩が隆起したものだろうか。
大小の石が混じり、水の浸食跡が見られる。
立派な吊り橋が架かっているが、下には川は流れていない。
しっかりできていてもかなり揺れる。
これが獅子ヶ鼻。
反対から眺めた獅子ヶ鼻
下の駐車場を望む。
3ヶ月ほど前に購入した山友 の赤い愛車が見える。
「公園上駐車場」に続く広場には、フィールドアスレチックの遊具が並んでいるので、子供連れのファミリーに喜ばれる。
ボクたちはそこから展望台を目指す。
展望台までは「自然ふれあい広場」の横を通る。
舗装されて車も通るが、右に茶畑が広がり、左には桜の並木が続くので楽しく歩くことができる。
多分コースを整備していた時に出てきたものでしょう、木の根を積み上げたオブジェが並んでいる。
展望台には東屋があり、磐田市から浜松市の市街地が見通せる。
ここは現在造成中で、不要と思われる木が切り倒されている。
「一般・健脚向け」としてある山道に足を進める。
15分ほどで「蟻の戸渡り」に着く。
残念ながらこの先は通行止め、おそらく転落事故があって立ち入り禁止にしたのだろう。
野遊人
白山中居(ハクサンチュウキョ)神社の駐車場は満車、かろうじて1台置くことができた。
豊橋ナンバーが2台、神戸、栃木、湘南のナンバーなど、多方面からきている。
その多くが山スキーを楽しむ人たちだ。
駐車場付近は50cm以上の積雪がある。
多くの登山者で踏み固められており、つぼ足(登山靴)で歩く。
ショートカットコースを見落としたため、ひたすら林道を歩く。
先頭を歩く相方はなぜかピッチが速い。
80分ほどで牧場跡に到着。
だだっ広い雪原をひたすら歩く。
晴れていれば大日岳、天狗岳、丸山、銚子ヶ峰、白山などが見えるのだが・・・
前方に本日登頂する野伏ヶ岳がでーんと姿を現す。
牧場跡地の牧草地には、5張のテントがあった。
山スキーを楽しむグループだった。
尾根の取り付きまで足を進め、ここからアイゼンを装着する。
同時にリュックからピッケルも取り出す。
今まではリュックの飾りとなっていた、昨年購入したブラックダイアモンドのピッケルを初めて使用する。
ダイレクト尾根を登る。
どこを歩いてよいが、一応先行者のトレースに従う。
山頂まで20分のところでクラックが口を開けて待っている。
クレバスというほど大きくはないがが、深さは3m以上ありそうだ。
先行する9人のパーティの後についていく。
このころはガス、雪、強風で10m先は視界不能なホワイトアウト。
吹きっさらしの斜面は凍りついていて、アイゼンの爪を刺しながら進む。
分岐で先行のパーティが、ストックを立てて目印にしていた。
これは助かる。
前を行く9人のパーティ、10m先が見えないのがわかるでしょう。
ほどなく山頂に到着。
山名盤、三角点は雪の中。
頬に当たる雪が痛い。
早々に退散。
今来たトレースは強風が吹き飛ばす。
山頂まで20分のところで別のパーティに出会うが、トレースが分からないのでここで引き返すと言う。
山では引き返す勇気が必要と言うが、ここで引き返すのはつらいな。
山頂で記念撮影。
無事下山。
スキーで降りてきた人が、駐車場前の橋の上を行く。
天気が悪いのを承知の上で行ったため、雪、強風、雨、視界不能に泣かされた修行登山だった。
豊橋ナンバーの人たちが帰り支度をしていたので声をかけると、東三河山ぽ会の人達で、会が発行した「私達の明神山」を参考にしていると告げると、来月30数コースを紹介した本宮山の本を出すそうだ。
これは購入せねばならない。
野遊人
数年前、本宮山ウォーキングセンターに車を置いたまま行方不明になった同僚の遺体が見つかったのが荒沢だ。
彼を弔う意味もあり、Sさんに案内していただいた。
荒沢の東には本沢が流れ、両方とも小さな沢だが、2,3日前の降雨で豊富な流れだ。
小さな滝がいくつのあり、沢をジャブジャブ登る本格的な沢登りではないが雰囲気は十分堪能できる。
一枚岩がデンと正面に座る滝では直登できないので、右か左を巻いて上に行かなければならない。
沢が二手に分かれ、左手をしばらく行くと、地元の人が祀った不動尊がある。
写真ではわからないが、かなり高いところに祀ってある。
当時の人の信仰心の熱さに感嘆する。
本来のコースはこちらではなく右手を行く。
細いが落差がある3段の滝。
Sさんは大学時代山岳部に所属していて、山の経験は十分にある。
途中の大岩でロープワークの講習を受けた。
ハーネスを腰につけ、エイト環を付けて懸垂下降、相棒が上り下りする際の確保。
一人であれば立木を利用した懸垂下降を学んだ。
これは渓流釣りに応用できる。
同僚の遺体があったところで合掌。
荒沢を登りきると「山姥の足跡」に出る。
そこから「国見岩」に行き、ここでランチをいただく。
ランチはおにぎりと私が作る寄せ鍋。
最近山歩きのランチが贅沢になった。
下山路は本沢を歩くが、歩いていて同僚の捜索にここを登ったことが思いだした。
野遊人
スノーシューをする前にお腹がすいたので、スキー場のレストランで腹ごしらえ。
私はソ-スカツ丼を注文。
当初はゴンドラに乗り三笠山山頂へ行く予定であったが、山頂付近は風が強いのでゴンドラは運行中止。
リフトに変更しチケットを求めると、スキー板やボードを持っていない人には販売しないと言う。
客が少なく、4本あるリフトは1本しか動いていないにも関わらずこの対応。
なんと頭の固い対応だこと。
風がなくきれいな青空が広がるダケカンバの森の中をスノーシューハイク。
気持ちいい。
中央アルプスがくっきり見える。
反対側へ行こうとゲレンデを横切ると、下から「ゲレンデが荒れるので歩かないでください」と注意を受け、「申し訳ありません」と素直に従う。
すると下から猛スピードでスノーモービルがすっ飛んで行く。
スノーモービルはゲレンデを走ってもOKなの?
リフトのチケットといい、釈然としない。
森を抜けると雄大な御嶽山が顔をだす。
厳冬期に3,000m級の山を登るには、ボクの技術では御嶽山しかない。
今日のような日なら登頂可能だ。
残念!
帰ったら休日と山の天気予報をにらめっこする日が続くだろう。
氷柱、結氷滝、スノーシューハイクを存分に楽しんだ一日が終わった。
野遊人