「グレートトラバース」という番組をご存知だろうか。
NHK-BSのドキュメンタリー番組で、内容がとてつもなく壮大だ。
世界各地で開催されるアドベンチャーレースに参加し、優勝もしている田中陽希さんが、一切の交通手段を使わずに、南端の屋久島宮之浦岳から北端の利尻岳まで、日本百名山の頂を一筆書き踏破するもの。
走行距離7,800km、累積高度差10万mを200日で踏破、1日平均40kmを走り登る。
屋久島から九州へ、本州から北海道へはカヤックで海を渡る。
第1回の放送は、宮之浦岳―阿蘇山―霧島―大山―四国の劔山
第2回は紀伊半島大峰山―伊吹―南アルプスー北岳
田中陽希さんの今週の予定は、雲取山-大菩薩嶺-富士山-天城山を走り、田中さんを一目見ようと山を登る人が続いているとか。
ボクも一度会ってみたい。
次回の放送は8月2日で南アルプスー中央アルプスー北アルプス
田中さんの日記も面白いから、興味のある方は一読ください。
番組HPはhttp://www.nhk.or.jp/greattraverse/
野遊人
今日NHK-BS「日本百名山」を見ていたら、山の食事ペミカンの紹介があった。
以前は山では欠かせない食事であったが、今では知らない人も少なくないという。
大量のラード(牛脂でもよい)を溶かし、そこにニンジン、じゃがいも、タマネギ、ピーマン、肉などを炒めたもの。
温めるだけですぐに食べられ、ご飯と炒めればチャーハンに、味噌を入れればトン汁、カレーやシチューの具にもなる。
野菜や肉をラードで固めるので、酸素と触れることがなくなり、冬なら1か月以上、夏山でも1週間ほど保存がきくそうだ。
バイクキャンプにも利用できるが、かなりカロリーが高い(ラードの量が半端ではない)ので、山歩きなどハードなスポーツの食事が望ましい。
ペミカンで検索するといくつもヒットする。
野遊人
この先、シカ2頭に出会ったが、カメラを構える間もなく消えていった。
国土地理院の地図には神座山から少し行ったところに「神座風穴附蒲鉾穴および眼鏡穴」と記してあるが、ここを歩いた人のサイトには、蒲鉾穴も眼鏡穴も見つけられないと記載が多い。
蒲鉾穴も眼鏡穴も、地図とは違うところにあった。
小さな看板を見落とさなければ見つけられるが、実は看板に矢印がなかったため、ボクたちは二手に分かれて探した。
これは眼鏡穴
おにぎりを食べるためちょっと休憩。
ここから大室山に登るルートがない。
ガーミンのGPSで方向を確認して、大室山山頂を直登することにした。
急登を息せき切って上がると、なんと!10mごとに目印のテープがあった。
さすがに森林保護員の方もここまで来なかったようだ。
テープに従って足を進めると、しっかりした踏み跡が出だした。
大室山の三角点を確認して、展望地まで足を進める。
晴れていれば正面に富士山が望めたのに、残念!
下山後は本日のハイライト、富士風穴。
梯子が掛けてあり下りていくと、氷が解けずにある。
アイゼンなどを装着することは禁止されているので靴のまま歩くが、ツルツルに滑り、怖くてこれ以上前に進めない。
この先には氷の柱があるのだが、残念だがここまでとする。
富士風穴から入り口を写したもの。
素晴らしい山歩きをプランしてくれた山友に感謝。
野遊人
青木ヶ原樹海には、富士山が噴火活動で生じた風穴が各所にある。
江南市に住む山友から、青木ヶ原樹海を歩き大室山を登ろう、山頂には絶景ポイントがあると、山歩きの誘いがあった。
ボクも例外ではなく、多くの人は伊豆半島にある大室山を思い浮かべるが、今回歩く大室山は」富士山の北西にある、標高1468m、富士山から流れ出た溶岩は、大室山を取り巻くように流れた。
精進湖から見ると、富士山が子供を抱いているように見えることから「子抱き冨士」とも呼ばれる(命名した人は感性豊かな人だ)
富士風穴近くの駐車場に車を止め、樹海の散策路を歩く。
コースは本巣風穴~石塚山(ところが行くのを忘れた)~7ブナ広場~背負子山(山頂の確認を忘れる)~大室山~南峰~蒲鉾穴・眼鏡穴~大室風穴~富士風穴
どこの山もコースミスを防ぐため木にテープや目印があるが、そのようなものは一切付けてはいけない規則になっている。
そのため何度もコースミスをし、その度にガーミンのGPSの世話になった。
また分岐を間違え、予定していた下山路を往路になった。
まさにグリーンシャワー、新緑のブナ林、マイナスイオンたっぷり。
葉緑素を持たない植物ギンリョウソウ
本巣の風穴、延長は403mにも及ぶ。
崩落の危険があるため、入洞は禁止されている。
樹の重さに耐えきれず、ごく最近倒れたと思われる巨大なブナの木。
これが大室洞穴の全景。
以前は入洞できたが、現在は入り口が陥没したため入ることはできない。
大室洞穴を探索していると、下からの冷気を感じる。
よく観察すると氷が融けていない穴があった。
今日はここまで
野遊人
山頂と言っても最高地点ではない。
最高地点お剣ヶ峰はこの先にある。
富士山測候所が建っているところが剣ヶ峰。
ズームアップすると
なにやら怪しげな要塞にも見える。
最後の登りをクリアして最高地点で記念撮影。
測候所の裏側に回ると、手前から南アルプス、その向こうに中央アルプス、乗鞍岳、北アルプス、南八ヶ岳が目に入る。
こんな眺めは二度と味わえないんじゃないかと思える。
時刻はまだ9時前、時間はたっぷりあるのでお鉢周りをする。
ボーダーが一人、火口を滑り降りていく。
5月4日、スノーボードで火口を滑り降りていた自衛官が滑落し、それを助けようと下単独行の人も滑落して死亡した事故があった。
ここは御殿場口からの山頂。
ここで昼食を摂ることにした。
ちょっと見えないかな、空には飛行機雲を引きながら、旅客機が何機も飛んでいた。
今日一日ボクを助けてくれた相棒、ピッケルと冬靴。
山を下りれば、靴はこれでしばらく眠りにつく。
走るようにして下山。
1時間19分で降りてしまった。
富士山、ありがとう。
野遊人